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「アロマのある訪問看護がしたい」——その一言でここを選んだ看護師が、15年の病院経験を在宅ケアに活かすまで

訪問看護の世界に入る前から、嶋村可奈さんの頭にあったのは「アロマを使った在宅ケア」でした。その夢のために15年間病院で腕を磨き、在宅への転向を決めた時に真っ先に選んだのがあまてらすです。現在はリンパ浮腫セラピストとしても活動しながら、アロマを通じた新しいケアの形を日々の訪問の中で実践しています。病院勤務との違い、チャレンジを後押しする職場の文化、そして看取りケアで生まれたご家族との忘れられない時間——嶋村さんの話をお届けします。

PROFILE
お名前 嶋村 可奈
職種 看護師・リンパ浮腫セラピスト
入社 2021年
前職 病院勤務(看護師として約15年)
趣味 アロマテラピー

在宅医療を夢見ながら、まず15年間病院で学んだ

看護師になった頃から、在宅医療への興味がありました。でも最初に選んだのは病院でした。在宅でちゃんと患者様と向き合うためには、病院でどんな治療の経過をたどるのか、入院中にどんな生活を送っているのかを実際に見ておかないと分からないと思っていたんですよね。まず救急病院でしっかり勉強して、次に慢性期病院に移って——在宅に帰れなかった人たちが慢性期でどういった経過をたどるのかも知りたかったので。

その後、もう一度救急病院に戻ったのは、循環器など自分の苦手な分野があって、そこを克服したかったからです。内科、消化器科、がんケア、呼吸器と様々な病棟を経験して、合計で約15年になりました。「在宅に行く前に、きちんと基礎を積んでおく」という気持ちで動いていたので、まわり道をしたとは全く感じていないです。むしろその15年があったからこそ、今の在宅での仕事が活きていると思っています。

病院での経験が長かった分、利用者様の病歴や治療の経過を見た時に、「この方はこういう状態を経てここにいるんだな」という想像ができる。それはやっぱり、現場にいないと分からないことでした。退院する患者様を見送るたびに、「この方は自宅でどんな生活を送っているんだろう」と気になっていた。その気持ちが、ずっと在宅への思いをつないでいたように思います。

「アロマをやっている」——ホームページのその一言で選んだ

アロマセラピーへの関心は、約20年前から持っていました。病院でもアロマを使い始めているところが少しずつ出てきた頃で、特にがんの患者様や病気の告知を受けたばかりの方など、精神的に辛い状況にある方にアロマを通して少しでも心を柔らげたい、緩和ケアの分野で痛みや苦しみを和らげたい——そういう気持ちがずっとありました。

でも病院では、ナースコールがあれば何をしていても呼ばれてしまうし、なかなかゆったりとケアができる時間を持てませんでした。1対1でしっかり関われる在宅の方が、アロマセラピーを丁寧に実践できると思って、在宅への転向を決めました。

あまてらすを選んだ理由は、単純です。ホームページにアロマを実践していると書いてあったから。それだけでした。在宅看護に移る時、最初の職場としてあまてらすを選んで、今もここにいます。「アロマができる訪問看護がしたい」というその一点で決めた職場が、入社して4年経った今も続いている。それが一番の答えだと思っています。

看護師さんの声がきっかけでアロマの取り組みが始まったという話を聞いた時に、「ここなら自分のやりたいことと方向性が同じだ」と感じたのも大きかったですね。職場選びで大切なのは条件だけじゃなくて、自分の大事にしていることを大事にしてくれる場所かどうか、だと思っています。

名刺の「アロマセラピスト」が会話を生む——ケアの幅を広げていく

今はリンパ浮腫セラピストとしても活動していて、名刺にも「アロマセラピスト」と記載しています。訪問先で名刺をお渡しした時に「これはどういうことができるんですか?」と聞いてこられる方が結構いて、そこから会話が始まってアロマを取り入れたケアにつながることがよくあります。アロマに興味がありそうな方かどうかは、なんとなく雰囲気で分かるようになってきていて、経験を積むほどご提案の精度も上がってきていると感じています。

実際の現場では、抑鬱状態の強い方や精神疾患のある方に背中のアロマトリートメントを行ったり、高齢者の方の循環を促進するために足浴の際にアロマオイルを使ったりと、いろんな場面で活用しています。利用者様の様子を見ながら「この方は好きそうだな」と感じたらご提案することもありますね。

熊本でアロマを訪問看護に取り入れているところはまだ少なくて、費用や時間、知識の問題で導入しにくいという現状があります。あまてらすはアロマの知識を持ったスタッフが複数いるので、新しいケアを提案した時にすぐ対応できる体制がある。それが他との大きな違いだと感じています。

ご家族も一緒に——看取りケアで生まれた「気持ちよく眠れる」という言葉

やりがいを感じた場面で印象に残っているのは、看取りケアでアロマトリートメントを行った時のことです。足のむくみがひどい方で、もともとアロマが大好きな方でした。「マッサージしてほしい」というところから始まって、訪問を重ねる中でアロマを取り入れたケアを続けていました。

ご家族がとても熱心な方たちで、「自分たちも何かできないだろうか」という気持ちを持っていらっしゃいました。足のむくみがひどくなると皮膚がパンパンに引っ張られるような痛みが出てくることがあるので、優しいタッチのやり方をお伝えして、ご家族も一緒にアロマトリートメントに参加してもらったんです。

ご本人から「足を触ってもらった後は気持ちよく眠れる」という言葉をいただけたこと、そしてご家族からも「自分たちも一緒にできることがあって嬉しい」という言葉をいただけたこと——看護師だけのケアではなく、ご家族も含めて一緒に関われたあの場面が、今でも自分の中に残っています。アロマを通じてこういうことができるんだ、ということを改めて実感した経験でした。

アンケートに書いた「心地よい時間を過ごせたことが嬉しい。看護師さんが来ると安心します」という言葉も、利用者様からいただいた言葉です。看護師として、専門的なケアをするだけでなく、その方の日常に「安心」を届けられているという感覚は、訪問看護ならではのやりがいだと思います。病院では一人の患者様とじっくり関わる時間がどうしても限られていましたが、在宅ではその方の暮らしの中に入っていける。それが今の仕事の一番の魅力だと感じています。

提案を後押ししてくれる——チャレンジしたい人が活きる職場

あまてらすで働いていて感じる強みは、訪問看護としてやるべきことをちゃんとやった上で、新しい企画やアイデアを提案した時に、社長が「頑張っていいんじゃない」「やってみたらいいんじゃない」と後押ししてくれるところです。融通が利くというか、チャレンジしたいことを受け止めてくれる土壌がある。

私の場合、アロマや新しいケアを取り入れたいというのがありますが、それを「やってみたら」と言ってもらえる環境は、決して当たり前ではないと思っています。病院では、何か新しいことをやろうとするにはハードルが高かったですし、個人の裁量でできることには限界があった。あまてらすは、やる気がある人、新しいことをやってみたいという人にとっては、非常に動きやすい職場だと感じています。

自分が提案したことが実際に取り入れられると、やりがいにもつながります。「こういうケアをしたい」という気持ちが、ここでは形になる可能性がある。それはとても大きなことだと思っています。

求職者の方に伝えるとすれば、「自分で何かやりたいことがある人」に向いていると思います。業務をこなすだけでなく、自分なりのアプローチで看護をしていきたいという気持ちがある人には、この職場が持っている自由さや後押しが大きな力になるはずです。

移動時間という気分転換——スケジュール管理の自由と、オンオフの曖昧さ

病院との一番大きな違いは、自分でスケジュールを組んで動けることです。病院ではチームで動くので、他のスタッフが終わるまで帰れないことが多くて、上司から「まだ終わらないの?」と急かされる場面もあった。今は自分がちゃんと仕事を終わらせれば、その時間に帰ることができます。

一方で、在宅でカルテが見られるようになったことで、オンとオフの区別が曖昧になった側面もあります。「ちょっと気になってつい見てしまう」という感じで、ずっと仕事をしているような感覚になることも正直あります。これは在宅看護ならではのデメリットかもしれません。

そんな中で気分転換になっているのが、車での移動時間です。訪問と訪問の合間に、自分だけの時間がある。音楽を聴いたり、気持ちを切り替えたりできる時間が生まれたのは、病院勤務の頃にはなかった感覚ですね。病院では移動という概念がほとんどなかったので、最初は少し戸惑いましたが、今ではその時間が一日のリズムをつくってくれていると感じています。

当面の目標は、数ヶ月に一度はまとまった休みを取って旅行に行くこと。同じあまてらすの中でも、事業所によって休みの取りやすさが違うという実感があって、今の自分の事業所では人員が十分でない分、まとまった休暇が取りにくい状況があります。採用が進んでチームが整えば、そのあたりも変わってくると期待しています。アロマを通じてやりたいことはまだたくさんある。その余白を作るためにも、チームとしての環境を整えていきたいと思っています。

「アロマができる」という一言で選んだ職場で、やりたかったことが少しずつ形になっています。新しいことに挑戦したい、自分のケアを磨いていきたいという気持ちがある方には、きっと合う職場だと思います。